メガネ

高校に入って最初の身体検査で、
視力が悪いからと、
メガネをかけるように言われた。

それ以来、俺はメガネをかけている。
小中学生の頃には、思っていたんだ。
メガネをかけるようにはなりたくない、って。

それが、どうだ。
卒業したとたんに、かけてるじゃないか。

最初にメガネをかけたときに、思った。
メガネを通して見ている世界は、
現実じゃないんじゃないか、って。

微妙にずれるから、裸眼で見る世界と。

メガネをかけている限り、
嘘くさい非現実を見せられているようで、
なんだかしっくりこなかった。

それも、いつの間にか、慣れてしまった。
あれ以来、俺はメガネをかけ続けている。

嘘くさい社会は、ますます嘘くさくなり、
裸眼で見るぼやけた世界が、
本当の世界であるような錯覚が、
ときどき、よみがえる。

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