交通事故

小学5年生の3学期のことだ。
1月15日、成人の日であったことも覚えている。
交通事故に、あった。

俺が悪いんだ、ブロック塀の陰から飛び出したから。
軽自動車にぶつかって、俺は倒れた。
足が、痛かった。

ドライバーのおじさんが、
俺を抱いて車に乗せ、病院に運んだ。
車内には、おじさんの家族も乗っていた。

そして俺は1ヵ月入院することになった。
右足首の複雑骨折。
入院中は祖母が付き添ってくれた。

祖母の漬けた漬物が美味しくて、
俺は病院食をたくさん食べて寝て過ごした。
太るに決まっている。

入院直後から俺をおぶって
診察室に運んでくれた看護師さんがいて、
退院直前に彼女は俺にこう言ったんだ。
「重くなったわねぇ」
恥ずかしかったなぁ。

どうして、俺はブロック塀の陰から、
飛び出したのかというと、
友達を驚かそうとしたんだ。

彼と釣り堀に行った帰り道、
彼とは別のルートを先回りして、
急に飛び出して彼を驚かせようとした。

驚いたのは、俺の方になってしまった。
彼は、もっと驚いたみたいで、
ショックで泣きながら、
僕の交通事故を家に知らせてくれた。
「車に引かれてペッシャンコ!」
と叫びながら……。

家の者は、俺は死んだ、と思ったらしい。

俺の実父も、交通事故で死んでいたから。
俺が生まれる、3ヵ月前に。

俺が死ななかったのは、
天国の父が、
守ってくれたんだと信じている。

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